EU、生体認証国境システム開始まで180日のカウントダウンを設定

EUは、国境警備を近代化し、遅延を減らすことを目的としたバイオメトリック出入国システムの開始を180日のスケジュールで承認した。

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EU、180日間の発射を確認

欧州連合(EU)は、次期出入国管理システム(EES)を180日間かけて段階的に導入することを確認した。数回の延期を経て、欧州議会はこのスケジュールについて採決を行い、賛成572、反対42、棄権67となった。

この規則がEUの官報に掲載されると、カウントダウンが正式に始まる。今後、すべてのEU加盟国は、6カ月以内に対外国境でバイオメトリック・チェックを実施しなければならない。

さらに、この開発はEUにとって、移民管理戦略の強化という重要な意味を持つ。これに対応して、EESはシェンゲン圏内のEU加盟国以外の旅行者の入国、出国、拒否データを自動的にデータベースに保存する。

段階的実施目標

本格的な開始を予定していた以前の計画とは異なり、新しいアプローチは段階的なものである。30日以内に国境通過の10%に新システムを導入する。一方、90日目には25%をカバーしなければならない。最後に、170日目までに全面的な導入を達成しなければならない。

全体として、この柔軟なスケジュールにより、各国はシステムに適応し、過負荷を避けることができる。しかし、深刻な技術的問題が発生した場合、加盟国は打ち上げを遅らせることができる。

フロンテックスの広報担当者は、EUが国境のボトルネックを作ることなく、バイオメトリック・システムへのスムーズかつ確実な移行を望んでいることを確認した。

EUが計画変更した理由

以前、EUは当初、2024年の1日打ち上げを計画していた。しかし、技術面や運用面での懸念が高まり、再考を余儀なくされた。

現在、欧州委員会と各国政府は、より現実的で慎重なアプローチを望んでいる。注目すべきは、空港や陸路国境での混乱を避けるため、市民的自由の欧州議会議員がこの段階的な導入を支持したことである。

欧州旅行委員会によると、シェンゲン協定加盟国では年間14億回もの国境通過が行われている。したがって、段階的な展開の必要性が浮き彫りになった。

フロンテックス

一方、フロンテックスは事前登録技術でEUの展開をバックアップしている。実際、同社の新しいモバイルアプリ「Travel to Europe」は現在、試験段階に入っている。具体的には、EU圏外の国民が到着前にパスポートデータと顔画像をアップロードできるようにするものだ。

このアプリは6月にストックホルムのアーランダ空港でテストが行われた。一方、フランス、オランダ、イタリアは今年後半に参加する予定である。

さらに、国境キオスクでは生体認証キオスクが利用できるようになる。特に、指紋と顔をスキャンし、従来のパスポート・スタンプに取って代わる。

EU機関が計画を監督

EUの大規模ITシステム担当機関であるeu-LISAは、採択から30日以内に実施枠組みを発表する。その後、各国政府は60日以内に国別の導入計画を提出しなければならない。

全体として、このスケジュールは緊密な協調を保証するものである。とはいえ、EUの準備態勢には懸念が残る。さらに、サイバーセキュリティの専門家は、SIS IIのような古いシステムの脆弱性や、急速な統合のリスクについて警告している。

短期的な遅れに備える

技術的なアップグレードにもかかわらず、短期的な遅れは予想される。フランスとスペインの港湾関係者は、初期処理に時間がかかるかもしれないと警告している。

しかし、EESは長期的な効率を改善する。EESはビザのオーバーステイを阻止し、顔や指紋のスキャンを使った身分詐称を減らすことを目的としている。

「EESは非正規移民を防止し、欧州市民の安全を守ることに貢献する」と、欧州委員会の移民・内務担当部局は通達を発表した。

写真 Freepik

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